手荷物検査のやり方で国家のセキュリティレベルが分かる
こんにちは マサヒロクンです。
いつも成田空港に勤務していると
手荷物検査のことが気になります。
リピーターの乗客は知っていますが
国際線のターミナルでは
液体物を持って搭乗ゲートまで行けません。
100ml以上の液体物は、手荷物検査で
ひっかかって没収されるからです!
液体だけでなく、液体に準ずるものも
没収対象になるのです。例えば
クリーム、ペースト、ジェルなどです。
それが国際空港のスタンダードですが
その点、日本の空港の基準は
若干甘いように思います。
食品や化粧品にその対象品が多いです。
欧米や中東の空港だったら間違いなく
没収されそうなものが、日本の空港
では通っていることもあります。
自分は海外添乗員でしたので
良く分かりますが、ポケットに
うっかり入れたままにしていたコインや
金属のアクセサリーが日本では無事でも
アメリカのシカゴやロサンゼルス
ロンドンのヒースロー空港では
発覚して、別トレイに入れ直した後
検査場を通り直すように命じられた
ことがあります。
液体なんかは検査することに意味が
あるのかどうか疑問に思う人もいますが
2001年のニューヨークの同時爆破テロ以来
アメリカの性格が変わり、検査がしつこくなり
続いてそのやり方が世界中に波及しました。
液体のボトルに爆発物を入れた容疑者が
捕まってから、液体は持ち込み不可になり
パソコンに爆発物を仕掛けたテロリストが
捕まってから、パソコンは検査場を通るとき
別トレイに入れて通し、スタッフの指示が
あれば、電源を入れてみせて、爆発しない
ことを証明しなければなりません。
テロリストに狙われるリスクと危機感が
高ければ高いほど、セキュリティチェックの
やり方も周到でしつこくなります。
これまでの経験で一番厳しかった検査は
イスラエルの空港で、フライト出発の
4時間前には空港で手荷物検査を受けないと
間に合わない厳格なものでした。
ロンドンのヒースロー空港や
ニューヨークのJ.F ケネディ空港では
出発のギリギリの時間まで
搭乗ゲートの番号をアナウンスしませんが
これは、早くから案内板に表示すると
テロリストの標的になるからです。
その点、日本の空港は2~3時間前には
当たり前のようにゲート番号が表示されて
いて、それでも問題が起きないから
平和ボケになるのかなと思ったりします。
また手荷物検査のやり方も、厳格で
妥協を許さないという雰囲気ではなく
お客様をお待たせしないことの方が
重視されているようにも感じます。
これから政府の外国人受け入れ政策が
変わって、治安が悪くなったりすることが
あれば、空港セキュリティのあり方も
変わるかもしれません。