シンデレラ城のモデルの優れたコストパフォーマンス
ドイツから帰国した添乗員と空港で話しをした。
冬もオープンしているノイシュヴァンシュタイン城は
相変わらずの人気で、特に団体で行く場合は
必ず予約が必要! 必ずしも観光シーズンと言えない
2月・3月でも、5分刻みで入場予約がされているという。
「新白鳥城」という訳語で日本でもおなじみであり
ウォルト・ディズニ-がインスピレーションを得て
シンデレラ城のモデルになったという
白亜の外観のお城である。
「眠れる森の美女」のモデル城とも言われている。
この王様は自らについて
あまり記録に残していないせいか
とにかく謎が多い!
フランツ・ヨーゼフ皇帝の王妃
エリザベートの腹違いの従弟にあたる。
ヴィッテルスバッハ王家出身で
生まれながらにして王位を継承するように
運命づけられた高貴な身分だった。
ただ、個人的な資質としては
国王として帝王学を授かるよりも
芸術家のような感性をもっていた。
これは、危急存亡のときを迎えていた
バイエルン王国にとっては
間違いなく好ましくないことであった。
まつりごとや外交には関心がなく
人にも会わず、関心事項は芸術のみ!!
湯水のように王室の費用を使い
また、中世の騎士物語に心酔し
実用性のない個人的趣味を満足させるため
いくつもお城をつくることに
情熱を傾けていた王様・・・・・
ノイシュヴァンシュタイン城の周辺は
バイエルンアルプスの麓で山と湖の景勝の地である。
お城は標高1000mの険しい山の上に聳え
王様の情熱を体現して白鳥のような外観だ。
入場入口の前に、マリエン橋から全景写真をとると
まるで航空写真のような見事な外観だ。
内部は写真撮影が一切禁止されているので
見学して目に焼け付けるしかないが
このお城だけでも建設コストが200億円という!
でもこれだけではなく、リンダーホフ城
ヘレンキムゼー城と他に2つのお城
合計3つのお城の費用は、バイエルン王室の
宮廷費用から出ていただけでなく
ルートヴィヒ2世を手玉に取るために
飴と鞭の政策で提供した費用からも出ていた。
このままでは、バイエルン王室の財政が破たんする
だけでなく、国家そのものがなくなってしまうという
危機感をもった宮廷人が王様を捕らえ
シュタルンベルク湖畔に幽閉する。
王様はそこで謎の死を遂げ
王様の死とともに建設途上にあった
ノイシュヴァンシュタイン城の工事は
中止命令が下り、未完成のお城となった。
当時のバイエルン王国では、悪評とともに退位させられ
王室財政を破綻させかけた張本人という扱いだったが
現在のドイツでは、特にバイエルン州の財政を潤すことで
国家にも観光収入で多大な貢献をしているのが
ルートヴィヒ2世という王様なのである。
日本人も含めた外国人の人気観光地のトップを維持し
ルートヴィヒ2世の建てた3つのお城は
現在だけでなく、これから未来にかけて
バイエルン州やドイツの権利収入を保証する
コスパの優れた超優良債権
であり続けることだろう。
ロマンチック街道はドイツ政府の観光課が
命名した景勝ルートだが
中心地ローテンブルクから南のハイライトは
ノイシュバンシュタイン城に決まっている。
ロマンチック街道の南の終点フュッセンまで来ると
その5km先に
シンデレラ城のモデルとなった
ノイシュバンシュタイン城がある。