ノートルダム大聖堂の存在はとてつもなく重い
パリのノートルダム大聖堂の
火災の報道はショッキングだった。
旅行業界の人たち
私のような添乗員経験者にとっても!
フランスの世界遺産であり
パリの象徴的建造物であり
極端に言えば人類の宝である。
パリに教会は星の数ほどあっても
「大聖堂」は1つしかない。
通常、ノートルダム寺院と呼ばれるが
カトリック教徒にとっては
かけがえのない重みをもつ
聖母マリアに捧げる大聖堂といえば
パリ大司教座のある
ノートルダム大聖堂である。
パリのセーヌ河畔
中の島のシテ島に建っている。
パリの発祥の地にあたり
日本でいえばゼロマイル地点で
日本橋にあたる。
「ノートルダムのせむし男」 という古い映画で
早くから知られるようになったが
ガーゴイルという雨どいの役割をもつ
怪物たちの彫刻がよく知られている。
私は、大学時代に出版された哲学者で
フランス文学者、森有正の作品
「遥かなノートルダム」という 深遠なエッセイで
その名をよりはっきりと知った。
フランス人にとっての国民的象徴
行き詰ったらいつもそこに立ち返る
心の原点
そんなイメージで
ノートルダムを再認識した。
市内観光の時にいつも見学する
あのファサードは大丈夫かといえば
残念ながらノーだろう。
屋根や尖塔、大聖堂の建物に
被害が及んだが
あの有名なバラ窓のステンドグラスや
パイプオルガン、十字架、祭壇は
無事だという。
改修工事前に既に工房に移していた
彫像も無事だという。
ではあの入口のファサードの現状は?
とても気になる!
大聖堂全体の倒壊を恐れ
上空からの放水をしなかったことで
損壊を免れたプラス面と
消火が長引いたマイナス面が
取り沙汰されている。
でも、ヨーロッパでは
数百年経つ建物を修復・保存する
ことには慣れているので
すぐ修復にかかるだろう。
建設に数百年、修復に数百年
かけるのは当たり前で
日本人の常識では想像もできない。
いま検討されている 数十年単位の修復以外に
数百年単位の修復は行われてきたし
これからも行われる。
フランスでノートルダム大聖堂といえば
パリだけではなく
主要都市に1つづつある。
美しいステンドグラスで有名な
シャルトルの大聖堂もその1つで
ノートルダム大聖堂なのである。
パリ観光の代表スポットとして
いつから
ノートルダム大聖堂の見学ができるように
なるのかとても心配だが
歴史的に新しい観光地とは別格として
ノートルダム大聖堂は、 パリのルーツとして
フランス国民の心の原点として
これからも燦然と輝き続ける。
それは間違いない。