マサヒロクンの公式ブログ

海外添乗員の経験談、空港勤務の日常を中心に日記調の記事をアップしていきます。

洋食の締めは何故デザート?何故スイーツ?

海外添乗員の楽しみの1つとして
各国・各都市の食べ歩きがあります。
日本のパティシエや和菓子店と
付き合いが長く、海外の業界視察にも
よく出かけます。今年もイタリアと
フランスにツアーで行きました。

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(ローマ トレビの泉)

ツアーはモンドセレクション開催に
合わせて企画されることが多く、
授賞式に参加して特別金賞や金賞、
銀賞のメダルを授与され
その後の晩餐会(ガラディナー)を通じて
業界人の交流を深められる機会です。


モンドセレクションは食品、飲料、
化粧品、ダイエット、健康食品
などの製品のクオリティを
審査する民間団体でベルギーの
ブリュッセルに本部があります。
授賞式のセレモニー開催都市は
毎年変わり今年は
イタリア、ローマでした。

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モンドセレクションは日本でも
けっこう知名度が高く
飲み物や食品を買ったときに
モンドセレクション金賞受賞」とか
「特別金賞受賞」などの表示ラベルが
ついているのを見たことがあると思います。


お菓子屋さんやチョコレート屋さんが
集まると、スイーツに対する関心や
研究意欲は半端なものではなく
そこから食文化や地元料理にまで
広い関心を持っているのは
さすがプロ❗と思います。

中でもスイーツへの関心は特別高く
行く先々で、レストランの
デザートメニューから
関心の高いものを選び出して
全員で食べ回して評価しています。

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良い歳をしたおじさんたちが
夢中になってスイーツを食べ回す光景は
どこかユーモラスでもあります。

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日本のパティシエで社長
NHK の料理番組に出演したこともある
人物から聞いた話しですが

欧米人が食事の締めに何故
デザートと称して甘いものを
食べるのか、納得できました。

1つの要員は日本人との
体の構造の違いです。
欧米人の体は日本人よりも
糖分の許容量が多く
洋食だと、前菜、メインディッシュを
終わった時点で、炭水化物が
不足しているというのです。

イタリアでは、前菜でパスタを
食べるので、必ずしも炭水化物は
不足してないと思うのですが、
体の糖分の許容量は
全く違うため、日本人と比べて
糖尿病が少ないようです。

確かに前菜にスープかサラダ
メインに魚料理か肉料理を
野菜の付け合わせと一緒に取っても
体に糖分の許容量はしっかり残っていて
これが甘いもので締めたくなる
理由になるそうです。

反面、日本人の体の糖分の許容量は
欧米人より少なく、それでいて
主食のご飯は糖分そのものだし
芋の煮っ転がしなどのおかずにも
けっこう砂糖を使っている
というわけです。

いずれにしても
和食を一通り食べ終わった時点では
糖分を十分摂取しているため
食後に甘いものを食べたいとは
思わないそうです。
緑茶一杯で十分なわけです。
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(高カロリー高脂肪でも糖分の少ない食事)
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自分の食生活にも問題があって
高血糖のため、糖質制限食の話しを
ブログで拝見して、興味深く
触発されてはいるのですが

パスタもご飯もスイーツも大好きな
自分としては、今のコンフォートゾーン
から抜け出す覚悟を持たないと
糖質制限食の実現は
容易ではなさそうです。

イタリアで考えた日常生活のトレードオフ

ほぼ一年ぶりに海外出張に行って来た。
お菓子屋さんと、そのお菓子屋さんを
クライアントにしている
チョコレートメーカーのツアーだった。
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行き先はイタリア

みんなパリの凱旋門に着目する中
あれはローマの凱旋門のコピーで
出来上がったのも19世紀

こちらこそオリジナルで
紀元前の凱旋門

と上から目線のイタリア
とにかく歴史が長い

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コロッセオ(円形闘技場)をはじめとして
紀元前の遺跡がゴロゴロある❗

そのイタリアで
旅の楽しさを満喫しながらも
不便で不自由な思いも
たくさんしながら

その不便と引き換えに
貴重なものを失わずにいる
イタリアを再認識し

逆に何でも便利にした結果
大切なことに気がついていないのが
今の日本ではないかと思った。

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イタリアはれっきとした観光立国で
観光客の支出による経済効果は
半端ナイ数字になるはずである。

それにしては
観光客と観光バスへの
リスペクトが見られない。

例えば紀元前の遺跡がひしめく
ローマの町の中心部から
観光バスを締め出す政策が
年々厳しくなっていて
僕らは目的地から数百メートル
離れたところでバスを
乗り降りしている。

Door to door で
遺跡の近くで乗り降りされたら
景観が台無しになる
ということらしい。

これはローマに限らず
他の都市でも同じことが言える。
現場ではうんと歩かされて
不便な思いをしながらも
景観保存という理念には
納得せざるを得ない。

富士山の五合目まで
大型バス数十台分の
駐車場を完備し
ゴミが捨てられない対策よりも
観光客の都合を優先している
日本とは大きく違う!

またイタリアのホテルでは
もちろん宿泊客は大切にするが
ホテル側の都合やルールを
曲げてまで宿泊客のリクエス
には応じない。

僕らは移動時間の都合で
強行軍の日程がどうしても
できてしまう。

早朝のチェックアウト、出発の前日
ホテルの朝食レストランオープンが
8時だと言うので、あまりにも遅く
7時に早めてくれと言っても
頑としてリクエストに応じない。

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シエナ近郊のオーベルジュ
田舎だから仕方ないと思ったが
早朝出発するため
朝食を早くとりたいというリクエストは
これまでもあったらしいが

従業員の出勤時間を早めて
宿泊客のリクエストに応じよう
という発想が経営者にない。

地方だけかと思ったら
大都市のシティホテルでも同じ❗

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フィレンツェのホテルでも
翌朝は日曜日だから
従業員の出勤が遅いため
レストランは7:30オープンという。

いつも通り7:00に開けてくれないと
困ると抗議したし、日本では
日曜日でも6時からオープンする
レストランがほとんどだと説明したが
聞く耳を持たない。

カトリック教徒には
命と同じくらい大切な
安息日という概念があって

日曜日は出来るだけ働きたくない
という感覚はサービス業の
人間も共通なのだ。

日曜日は休みたいという感覚は
小売業界でも生きていて
昔に比べれば日曜オープンが
増えてきたが、それでも
日曜日は大半のお店は閉まっている。

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レストランやカフェは開いているが
日曜休みのお店も非常に多い。

イタリアだけではないが
日本では当たり前の社会的インフラ
にもなったコンビニが街中に
見あたらない。

コンビニは土日祝日関係なく
営業する業態で、しかも
シフトを組んで24時間営業もある。

ヨーロッパの人には
顧客ニーズに対応するため
日曜でも深夜でも働くという発想は
なく、日曜祝日に時給を倍にしても
勤務する人が少なく、家族と共に
過ごすプライベートな時間を
大切にしている。

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コンビニでは早朝でも深夜でも
仕入れ先からトラックが乗り付け
鮮度重視に対応しているが
そのことで起きる騒音問題や
深夜出歩くことで起きる犯罪など
治安の問題もあるため
コンビニという業態はなかなか
受け入れられないと聞いた。

深夜まで営業している
コンビニ代わりの店もあるが
たいていはアラブ人、エジプト人
インド人、中国人などで
キリスト教、特にカトリック
無関係な宗教の人たちが多い。


トレードオフという言葉があって
一方を選択することで
他方が成立しないとか
何かを選ぶということは
何かを諦めることだという概念として
使われている。

日本人として
24時間買い物ができるという
利便性と引き換えに
犠牲にしているものはなかったのか

そして、サービス業でも
顧客の都合を最優先にすることで
大切な理念や価値観で
お座なりにされているものは
ないのか?

今回のイタリア旅行を期に
考えさせられた。

癒し系の観光地 モネの家と睡蓮の池

5月はヨ-ロッパの各国も観光客が増えて

フランスでもピークシーズンの到来です。

さらに6月になると、睡蓮を浮かべた池で

絵画の世界を堪能できる「モネの家」の

全体がベストのパフォーマンスを披露します。

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パリから1時間半も離れると

自然が豊かになって

同じセ-ヌ川沿いでも

景観が優しくなります。

パリのセーヌ川沿いには、

歴史的な建物が

あまりにも周密にそろいすぎていて

密度は濃いものの少し息苦しく感じます。

 

モネの家はノルマンディー地方の入口で

ジヴェルニ-という静かな町にあります。

この町には印象派美術館があって、

モネの後も多くの印象派の画家が移り住み

彼らの心を捉えた四季の変化

美しい自然の移ろいが感じられます。

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モネの「睡蓮」は連作で200点以上の

作品が残っていて、そのうちの一部は

日本でも観ることは可能です。

私も神奈川県箱根町のポーラ美術館や

岡山県倉敷市大原美術館

観たことがあります。

モネや「睡蓮」に魅せられた人にとって

、「睡蓮」の殿堂はパリの

オランジュリー美術館でしょう。

360度パノラマの展示室で

「睡蓮」に特化して鑑賞できます。

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5月でもバラやアイリスが楽しめますが、

6月以降真夏になれば、

ヒマワリやアサガオも咲いています。

そして何と言っても

モネファンがお目当てで来る

水の庭園の池を美しく彩る

睡蓮の花

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太鼓橋「ル・ポン・ジャポネ(日本橋)」の緑色が

水面に映える水の庭は、

睡蓮が満開に咲く季節に行くと、

本当にモネの絵画の中に

溶け込んでいるような恍惚感を覚えて、

心底癒されるのです。

モネも水面で静かに花を咲かせる睡蓮と

庭園の美しさを

何百という作品に仕上げました。

まさに絵画の中の世界

絵画との一体感!

普通の絵画鑑賞では

ここまでの感情移入や

作品との一体感はないでしょう。

 

もう一つ、私たちが癒される要因として

この庭園がもつ

日本的センスと情緒

これも忘れることができません。

普通のフランスの庭園散策は

幾何学的構成とロジカルなコンセプトで

美しくても頭が疲れるのです。

 

しかし、モネが私たちを誘う世界は

私たちが知っている知的故郷を

イメ-ジさせてくれるからです。

 

睡蓮の池を浮かべた水の庭は

もとは隣人の敷地だったところで

セーヌ川の支流から水を引く権利まで

入手して、モネが創り上げた庭園なのです。

 

アトリエ兼住居としての「モネの家」は

地下道を通じてつながっていて

家の前の庭園は、

「ノルマンディ-の庭園」で

四季の花々が色とりどり咲いています。

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モネはパリ生まれで、幼少の頃

ノルマンディー地方のル・ア-ブルに

引っ越し、その後も半生、転居を

繰り返しましたが、

ジヴェルニーの自然に魅せられ

家族とともに43歳のときに

ここに移り住み

自分が中心となって

庭師も雇い、制作以外のときは

庭の手入れに没頭し、

自他ともに認める造園家でした。

 

86歳で生涯を閉じるまで、

モネ自身によって手作りされた庭園は

死後も40年以上にわたって

管理する庭師がコンセプトを受け継ぎ

現在もフルタイムの庭師が休むことなく

モネの世界の創造と維持に貢献してます。

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モネが生きた時代、19世紀後半は

フランスだけでなくヨーロッパ中で

ジャポニスムという「日本趣味」が

一世を風靡した時代で

モネと親交があった画家の中にも

日本の浮世絵や版画に魅せられる

芸術家が多数いました。

 

モネの家の中にも、

北斎歌麿、広重など

多数の浮世絵が展示されていて、

家の中も室内も

日本趣味が生かされています。

そして、庭園のあり方や外観も

どこか日本風の感性をもっています。

そこにいくら見ていても疲れない

安心感をもたらす理由がある気がします。

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モネは印象派と呼ばれ、今は美術史の
主要な潮流として

高い知名度を持っていますが

モネが若い頃の展示会で

「あんなものは絵画ではない、

単なる印象を描いただけだ。」

と酷評されたのがきっかけで

印象派という用語が生まれたのです。

悪口がルーツとなって生まれた用語が

印象主義」「印象派

なのです。

 

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モネは人生の後半40年以上ずっと

亡くなるまで

ジヴェルニ-の家に住み続けます。

白内障を患って

目が見えにくくなってからも

キャンパスに向かい、「睡蓮」と向き合い

それ以外の時間は庭師として

庭園で作業していた時代そのままの

たたずまい、モネの息吹すら残っている

モネの家はそんな場所です。


モネの家で知名度の高いジヴェルニ―は

人口5,000人のこじんまりした町ですが

世界各国から毎年50万人以上の

観光客を集めています。

 

モネファンならずとも

ジヴェルニ―の牧歌的な景観と

モネの家の庭園の四季折々の花と

睡蓮の池でストレスから解放され

癒されるのは間違いありません。

 

 

マズローの欲求五段階説と顧客の行動

マズローの欲求五段階説という名前は

聞いたことがありますか?

 

心理学で、あるいはマーケティング

経営学との関連で知っている人も多い

かと思います。

 

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出典:https://ferret-plus.com/5369

 

人間の欲求は低次元のところから

高次元のところまで、5つの段階に

分けて考えられるとする説です。

 

海外旅行に添乗で出かけるとき

接客しながら、顧客の行動に着目すると

この欲求五段階説に当てはまる分類が

できると思いました。

 

そんなひまなこと、考える時間が

よく持てるものですが

逆に考えると、あまり理不尽な要求が

出たり、顧客の言い分に納得できないとき

感情的になったり、自分を忘れたりする

ことを防ぐためにも、顧客や問題と

少しばかり距離をとって

こういう余計なことを視点にいれると

客観的で冷静になるのに役立ちます。

 

第Ⅰ段階 生理的欲求

上の図表でも一番下、底辺にいちばん

大きくなっている欲求ですが、 

「食欲」「排泄欲」「睡眠欲」という

人間だけでなく、動物がみな持っている欲求で

この欲求が満たされないと

生命の維持に関わるため

欲求の中では最も低次元な欲求ですが

不可欠MUST な欲求となります。

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出典:https://tomar.asia/2018/06/691/

海外旅行のツア-の顧客でも、

お腹がすいているとき、寝不足なとき

不機嫌になることが多いですが

文句やクレームの元をただせば

「生理的欲求」に原因があるときは

私たち旅行業者に多くの場合

反省材料が多々あります。

 

案内すべきことはよくわかっていたけど

情報提供のタイミングが遅いとか

待てないとか

申し訳ないことが多かったです。

 

発言や態度が少し粗暴になる場合でも、

その状況をつくったのは

こちらが悪いと認識して

究極までがまんします。

 

 

第2段階 安全欲求

次に安全欲求です。

安心・安全な暮らしへの欲求です。

外よりは屋根のついた家で安全に

暮らしたいとか身につけるものを

必要と感じるとか、「衣食住」でいうと

「衣」と「住」にあたる欲求です。

日常生活で、病気や不慮の事故に対する

セーフティネットを求めるのも

安全欲求に発しています。

 

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出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/655541?title

海外旅行のツア-でも

出発前に海外旅行保険をかけたり

行き先の治安が気になったり

旅先で安全啓蒙のアドバイス

求めたりすることです。

 

何かトラブルがあって

予定のホテルが変わる事態になれば

最低でもグレ-ドが同じホテルを

要求しできればグレ-ドアップを

求めることも、安全欲求からです。

 

予定変更に遭遇すると

精神的に不安定となり、質問や

要求が多くなるのも安全欲求です。

不可抗力事由で旅行会社が免責になる

ケースでも、モンスタークライアント化

する事例もあって対応はやっかいです。

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出典:https://www.oricon.co.jp/photo/1205/97790/


 

第3段階 社会的欲求

社会的欲求とは、家庭や社会に帰属したり、

友人をもったり、仲間に受け入れられたい

という欲求です。

 

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出典:https://pixta.jp/illustration/9551836

旅先でも一人参加の人が話し相手を

求めたり、回りからおかしく見えないか

気になったり、自由行動の行き先でも

オプションの選択でも、みんなが

選ぶ方向と一致しているか気になる

という傾向です。

 

孤独を基本的に好まないという志向は

誰でももっているものですが

社会的欲求に起因します。

 

第4段階 承認の欲求

承認欲求とは、存在価値を認められたい、

正当な評価を求めるという欲求です。

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イラストAC

団体のツア-ではこの傾向が日常

よく出てきます。

 

自分の海外旅行体験から人に

アドバイスしたり、情報提供したがる

傾向です。それが人に評価されたり

喜ばれたりすると承認欲求が大いに

満足された状態になります。

 

考えてみれば、SNSの情報発信や

口コミも個人の承認欲求が根底に

あると思われます。

 

第5段階 自己実現の欲求

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出典:https://feelthebrain.me/2015/06/27/la-piramide-de-maslow/

 

 欲求5段階説を唱えたのは

アメリカの心理学者マズローです。

最も高次元の欲求として

図表でも最上位に位置するのが

自己実現の欲求です。

 

自己実現の欲求とは、自分の能力や可能性を

最大限に発揮したいという欲求です。

 

自分にしかない能力を引き上げたい、

自分の限界に挑戦してみたい

という欲求です。

 

不特定多数でお互い顔見知りでない

参加者が集まってくる団体ツア-では

この誘因で参加する人はまれですが

特定の業界の人が集まるツア-や

ビジネスマン向けツア-では

業界全体のために自分が動くとか

或いは、芸術家で

これまでになかったテーマや

新しいコンセプトで作品を生み出す、

という目的が誘因となって

海外旅行に来ているのを

みたことがありますが

まさに自己実現の欲求そのものです。

 

普通の海外旅行では、良く見られるのは

第4段階承認欲求までですが

 

若い学生であっても

近い将来を見据えた自分の構想があって

日常生活ではそれなりの制約と犠牲を

はらって、バイトでためた資金を使って

海外旅行に来ているのであれば

それも立派な自己実現の欲求に

根ざしたものといえるでしょう。

 

クルーズ全盛期到来の予感

ゴールデンウィーク前半は
横浜港によく仕事に行った。
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今年のG Wは10連休ということから
いつもより盛り上がっている。
前半と後半で異なった予定も
立てられるし、長期休暇のプラン
だって立てられてしまう。

自分でもクルーズ発着に伴う送迎の
仕事があったが、クルーズの
コーディネーターとして乗務する知人の
仕事の手伝いを兼ねながら
何度か横浜港に出向いた。
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特にGW始まりの4月27日は凄かった。
この日だけで1万人横浜港から出発!
また、かつて無かったことらしいが
横浜港に外国船4隻が同時着岸
という空前の大盛況‼️

大桟橋にダイヤモンドプリンセス
山下埠頭に
ノルウェージャンジュエル
大黒埠頭には2隻同時で
MSCスプレンディダ
アザマラクエストという具合❗

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大桟橋に着岸していた
ダイヤモンドプリンセス には
この日、長崎、韓国(釜山)を目的地
とする5日間のクルーズに乗船する
旅客で大変な賑わいだった。

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主要な旅行会社が競って受付カウンターを
設けていて、どうも今年のGW だけで
3万人横浜港から出港するという。

クルーズ人口自体が増加の一途をたどり
2017年の時点で既に31万人突破している
という。おおざっぱなコスト見積りでは
1日1万円強で宿泊費と食事代が含まれ
移動費もほとんどかからない。

しかも船内では
充実のエンターテイメントぶりで
各種イベント、ダンス、カジノ
スポーツジム、プール
ミュージカルのショーなどが
日替りで楽しめ、退屈させない
工夫もなかなかのものである。
一部有料であることを差し引いても
コスパは悪くないはずである。

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(ダイヤモンドプリンセス )

海外旅行でもこれまでの主役だった
飛行機の旅に変わってクルーズの旅が
東西の両横綱のように
トレンディな主役に踊り出ている。

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あのジャンボジェット77機分に
あたる乗客がGW の横浜港から出発
することを想像すると
クルーズ全盛期は既に始まっている❗

自分にとって平成とはアナログからデジタルへの適応時代

今週のお題「平成を振り返る」

私は、昭和64年
つまり平成になる少し前から
旅行業界に所属し
海外添乗をやってきた。
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(1990年当時のパリ ノートルダム寺院

つまり平成の時代を
初めから終わりまで
旅行業界にいながら
ずっと見てきたことになる。

世の中、そして旅行業界
ふだんの業務のやり方まで
アナログからデジタルへ
移行する過渡期だったと思う。
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(2003年当時のパリ)

もちろん昭和の時代から
会社にパソコンはあったが
会社で業務を行うときだけで
まだ自宅でパソコンは
使っていなかった。
外国との通信もテレックス
が中心でメールはなかった。

添乗に行っても
迷子がでたら走って探しに行ったり
呼び出しの放送をしていた。

平成に入ってしばらくたつと
マイクロソフトがウィンドウズ95
を発表し、デスクトップの
パソコンから急速に普及していった。
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(2007年当時のスペイン ミハス)

ウィンドウズは度々バージョンアップ
され、ノートパソコンも普及し
外出先でもパソコンで仕事する
ことがトレンディとなった。

しかしまだ平成の始め頃は
インターネット接続が大変で
電話回線につなぐダイヤルアップ
接続で行っていたこともある。
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(2008年当時のイタリア シエナ

海外添乗にパソコンを持って行って
ダイヤルアップ接続で日本に
メールを送ったら、国際電話代
としてバカ高い金額になった
という失敗も覚えている。

後にインターネット接続の選択肢が
多くなったとはいっても
国際ローミングの設定を行ったりして
まだまだ煩雑だった。

携帯電話もパソコンと同じように
昭和の終わりにシステムが
出来上がって、平成に入ってから
普及していった。
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(2011年 フランス モンサンミッシェル

普及したといっても日本独特の
システムを搭載したガラケー
先に普及したので、中高年になるまで
ガラケーの使い方に慣れた私は
なかなかスマホを使う気に
なれなかった。

スマホを使い始めたのは
2016年になってからだから
かなり遅い方だったと思う。

スマホを持っていることが
当たり前となったいまの時代は
添乗業務のスタイルも変わった。
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(2016年 スコットランド エディンバラ

担当者とのやりとりは
メールが当たり前だし、
かつては手書きの報告書を会社に
提出していたのに、いまは
パソコンのフォーマットに入力
したものを会社に送信する
デジタル報告書に変わってしまった。

添乗金の精算報告書も前は手書き
だったが、いまはスマホのアプリを
使って入力作業を行い、会社に
送信するやり方に変わっている。
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(2016年 ペル- マチュピチュ遺跡)

添乗に行って人数が足りないときは
昔のように呼び出し放送したり
探しに行ったりすることは少ない。

仲間がラインでメッセージを送れば
すぐ迷子さんから返信がきて
必ず集合場所に来てくれる。
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(2016年イギリス リヴァプール
訪日外国人のツアーの場合は
ラインを知っている人はいないが
WhatsAppワッツアップという
ラインと同じようなアプリを使って
いない人をすぐ呼んでくれるから
不在者の所在もすぐわかる。

Facebookツイッターを使って
コミュニケーションをとることも
あり、昔の添乗員には考えられない
恩恵に浴していて、まさに
SNS のパワーを感じる。
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(2017年ドイツ ノイシュバンシュタイン城

30代から60代を旅行業界にいて
添乗業務をしながら駆け抜けてきた
いまの自分は、アナログ人間
デジタル社会に移行する過渡期に
適応しようと闘ってきた

平成とはそんな時代だったと思う。

ノートルダム大聖堂の存在はとてつもなく重い

パリのノートルダム大聖堂

火災の報道はショッキングだった。

旅行業界の人たち

私のような添乗員経験者にとっても!

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フランスの世界遺産であり

パリの象徴的建造物であり

極端に言えば人類の宝である。

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パリに教会は星の数ほどあっても

「大聖堂」は1つしかない。

通常、ノートルダム寺院と呼ばれるが

カトリック教徒にとっては

かけがえのない重みをもつ

聖母マリアに捧げる大聖堂といえば

パリ大司教座のある

ノートルダム大聖堂である。

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パリのセーヌ河畔

中の島のシテ島に建っている。

パリの発祥の地にあたり

日本でいえばゼロマイル地点で

日本橋にあたる。

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ノートルダムのせむし男」 という古い映画で

早くから知られるようになったが

ガーゴイルという雨どいの役割をもつ

怪物たちの彫刻がよく知られている。

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私は、大学時代に出版された哲学者で

フランス文学者、森有正の作品

「遥かなノートルダム」という 深遠なエッセイで

その名をよりはっきりと知った。

 

フランス人にとっての国民的象徴

行き詰ったらいつもそこに立ち返る

心の原点

 

そんなイメージで

ノートルダムを再認識した。

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市内観光の時にいつも見学する

あのファサードは大丈夫かといえば

残念ながらノーだろう。

 

屋根や尖塔、大聖堂の建物に

被害が及んだが

あの有名なバラ窓のステンドグラスや

パイプオルガン、十字架、祭壇は

無事だという。

 

改修工事前に既に工房に移していた

彫像も無事だという。

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ではあの入口のファサードの現状は?

とても気になる!

大聖堂全体の倒壊を恐れ

上空からの放水をしなかったことで

損壊を免れたプラス面と

消火が長引いたマイナス面が

取り沙汰されている。

 

でも、ヨーロッパでは

数百年経つ建物を修復・保存する

ことには慣れているので

すぐ修復にかかるだろう。

 

建設に数百年、修復に数百年

かけるのは当たり前で

日本人の常識では想像もできない。

 

いま検討されている 数十年単位の修復以外に

数百年単位の修復は行われてきたし

これからも行われる。

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フランスでノートルダム大聖堂といえば

パリだけではなく

主要都市に1つづつある。

 

美しいステンドグラスで有名な

シャルトルの大聖堂もその1つで

ノートルダム大聖堂なのである。

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パリ観光の代表スポットとして

いつから

ノートルダム大聖堂の見学ができるように

なるのかとても心配だが

シャンゼリゼ通りや凱旋門のように

歴史的に新しい観光地とは別格として

ノートルダム大聖堂は、 パリのルーツとして

フランス国民の心の原点として

これからも燦然と輝き続ける。

それは間違いない。