入院したその日に退院! 病院騒動の顛末
前回のブログでもとりあげたが
妻が子宮頸がんにかかり、
がん研有明病院に入院することになった。
病院の選定には万全を期したつもりだった。
情報重視で、地元の婦人科医のいうことも聞かず
がん患者の対応であらゆるデータと経験値と選択肢を
有明病院が持っていると確信したからだった。
有明の駅を出ると早速頼もしい外観が目に入る。
1階ロビ-にはファミリーマートがあるが
病院のコンビニにふさわしい品揃えで
書籍もがん患者や家族が
手に取りたくなるものが多い。
入院するにあたって家族の私が同意書にサインしないと
手術ができないということだった。
手術で考えられるあらゆるリスクがあることに
本当は同意したくはなく、
「何があっても必ず成功させますから
ご安心下さい。」という主旨の発言を
担当医から期待していたのだが
それはありえないことも分かっていた。
談話室での他の家族や知人とのやりとりを聞いていても
評判は悪くなく、今後に期待して覚悟を決めた。
入院日は朝から支度して、入院手続や病室での準備、
検査やら説明やらで、夕方4時近くになっていた。
後は担当医に託し、信頼して病院にまかせよう!
そう思って病院の1階から出口に向かったとき
携帯電話の着信音が鳴った。
何とナースステーションからで
もう一度大切な話しがあるから
説明室に戻って下さいというのである。
行ってみると婦人科医と麻酔担当医が並んでいて
神妙な表情をしている。
何と病院の見落としで
妻が内科医から処方されて飲んでいた薬の中で
もっと前にストップしていないと
出血がなかなか止まらない薬があり
今日までそれを飲んでいた以上
予定の2月25日には手術できないという。
血液をサラサラにするロドリガという薬なのだが
妻はきちんとそれも書き込んだ
お薬手帳を病院に前もって提出していた。
つまり病院側の見落としで手術日が伸びたから
せっかく入院したのだが
今日いったん退院して下さいという。
私と妻は急いで後片づけをすませ、
暗澹たる思いで病院を出て帰宅の途につき
1日で引っ越しを2度したような疲労感を味わった。
そのことはその日で忘れようと思った。
大切なのは手術だから、その手術に影響のある
薬のストップを今日アドバイスしてもらって
良かったと前向きに考えることにした。
そして2月27日に再入院し、3月1日に手術を迎えた。
内視鏡を使って摘出する腹腔鏡手術だった。
トータル5時間も担当医とオペのスタッフが
無事にやりぬいてくれた。
手術が無事終わったときいたときは
ホッとするのを通り越して
もう何も考えられない虚脱感を感じた。
ひなまつりの日は病院のロビ-でも
お雛さまが飾ってあった。
退院日は3月5日は無理だということで
3月7日に延長された。
むしろ伸びて安心した。
しかし、病院での騒動にはまだ続きがあって
3月5日のお見舞いを終えて帰宅したら
妻から電話がかかってきた。
何と、7日ではなく、退院日が6日に早まったから
明日の朝病院に来てくれという。
入院と退院では大変な騒動に巻き込まれた感じだけど
手術前の、病院のミスを認める担当医やナースの
謝罪とその後の誠実な対応
そして肝心の手術で存分に手腕を発揮して
成功に導いてくれたこと
さらに入院中のスタッフの人たちの
明るく親切な対応から
基本的にはこの病院への信頼はゆるがず
今後も頼りにしていこうと思った。